ブラックチェリー材の経年変化をサンダーで削る
経年変化を検証し始めて、はや7カ月がたちました。かなり初期の頃から飴色に変色し、変化が止まっていたブラックチェリー材。
半分だけすっかり味が出ているブラックチェリー材を使い、前回「「天然木の経年変化はサンドペーパーで取れるのか(手作業編)」」にて手作業にて行ってみましたが全く歯が立たず。なので、今回は電動サンダーを使用して良い具合にコンガリと焼けたお肌をどれだけ美白できるのか検証していきます。
前回から天板のメンテナンス方法について色々と調べておりましたが、数ミリ天板を削り取るような大掛かりな作業を行う場合は、表面の油分を取り除いてからカンナや電動カンナ等でまずは表面を削ぎとるとのこと。流石にそこまでになると職人でもなんでもない人には全く手が出ないので、今回は予定通りサンダーの荒ペーパーで地道に削っていくことにします。
さて、今回はどのような結果になるのでしょうか、、、楽しみにしながら作業を進めていきます!
なお、通常のメンテナンス方法については「オイル商品のメンテナンスについて」に詳しく掲載しておりますのでそちらもご参照くださいませ。
さっそく電動サンダーで削っていこう
1.道具の準備と環境を整える
まずは道具を揃えましょう!
電動サンダーとそれに対応したサンドペーパー(荒目#60くらい / 中目#120くらい / 細目#240 / 極細目#400以上)4種類くらいあると理想で、それぞれ数枚ほど準備しましょう。
(今回は#180と#320を使用しています)
次に仕上げをするのに手作業用のサンドペーパー(#600程の目の粗くないもの)。最後にオイル仕上げ用に汚れても良いタオルを2~3枚、オイルワックス。
これが揃えば準備OKです!電動サンダーは以下リンク先にて販売しておりますのでご参照ください。
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今回はかなり木を削りますので、床にビニールや新聞紙を敷くなど、汚れても良い環境かつ風通しの良い環境を整えてから作業に入ります。(画像は参考までに)
※注意:今回の検証はあくまで無垢材の家具のみできる作業になっています。薄い天然木を使用した突き板貼りの家具では行えませんのでご注意ください!
2.サンダー掛けを頑張る
塵や埃など表面に何かしら付着していると、ガサッと傷が入ることがあるため、表面を綺麗にします。また、表面に汚れがこびりついている場合等はしっかりそぎ落としておきましょう。
表面の準備が完了したら荒目のサンドペーパーを使い思いっきり表面を削っていきます!
木目の流れに沿ってペーパー掛けを行うことが大切なので、多少意識をしながらサンダーをゆっくり前後しましょう。
(「サンドペーパーは木目方行に」を参照)
力を入れすぎずぎると力を入れすぎた部分だけ深く削れてしまう為、サンダーのパット全体がしっかりと木材にあたるよう気を付け、肩の力を抜いて均一な力でサンダー掛けすることを心がけ、研磨後に半分重なるように木目に沿って削り進めていくとキレイに仕上がります。
また、角が余計に削れるのを防ぐため、サンダー本体が1/3ほどはみ出たら折り返しましょう。あまり端まで移動してしまうと、サンダー自体が傾いてしまい、角面が余計に削れる原因になります。
しばらく削ってくるとサンドペーパーの凹凸が擦り切れて無くなってくるので、ある程度無くなってきた段階で早めに取り替えます。擦り切れたまま使用していると、削れ方にばらつきが出て均一に削れなくなってしまう可能性があるので要注意です。
15分ほど行った途中経過。最初は手で持って削っていましたが振動で手が痛いため、足で押さえての作業。木材がナナメになった影響で端から先に削れていっていますがこのまま作業を進めます。回転が弱いのでサンダーのパワーが落ちてきたかも。
しばらく時間を置いてから、ペーパーを新しいものと取り替えてさらに15分。境目もかなり目立たなくなってきたので一旦これで終了します。
これ1段回目のサンダー掛けが終わりましたので粉を布でふき取り、4種類準備したサンダー用のサンドペーパーをより目の細かいものと交換しながら、2回目⇒3回目⇒4回目とペーパー掛けをして仕上げます。最後にしっかりと削り粉をふき取ってペーパー掛け完了です。
今回回転式のサンダーを使用しての検証でサンダー後の小傷が気になったため、最終的に#600ほどのサンドペーパーを使い、手作業で木目方向にペーパー掛けを行って仕上げました。
3.オイルで仕上げる
このままだと白木のままなので、タオルにオイルを染み込ませペーパー掛けした木材にたっぷり塗り込んでいきます。最終的に拭き取れば問題ないので大胆にたっぷり塗って大丈夫!極端な話、直接木部にオイルを掛けてからウェス(布)でふき取っても全然問題ないです。
次に綺麗なタオルでしっかりと拭き取ります!
ここが甘いと乾燥時にオイルのベタつきが残ってしまうので、念入りにしっかり拭き取りましょう!
拭き取った後1~2時間経ったら、もう一回拭き取るのがベスト。これくらい念入りにしっかり拭き取とると、ベタつき無く綺麗に仕上がります。
これで仕上げ完了!境目があまり目立たなくなりました。
4.乾燥と片付け
一通りオイルを塗りこんだら風通しの良い日陰で1日ほどは乾燥させましょう!
晴れて乾燥した日ならしっかり乾きますが、梅雨時期などの雨でジメっとした日にはもっと乾かした方がいいことも。表面の乾き具合を認しながらしっかり乾燥をしてください。しっかり乾いたら完了です。
乾かすのと平行して、作業が終わったらオイルを塗り込んだり拭き上げた際のタオルはそのままにしておくと自然発火する恐れがありますので、一度水に浸してからすぐに処分しましょう!
時間はかかりますがほぼ削りきれました
手作業での検証では埒が明かなかったので、今回は電動サンダーを使用したのですが、おかげさまですっかり経年変化部分をほぼほぼ削ることができました。
いったいどれくらい削ったんだろうと思い、削った部分とそうでない部分との厚みを比べてみたところ、0.5mm弱ほど削れていました。今回の経年変化の7ヶ月間直射日光で焼いたブラックチェリー材ですが、どうやら1mmほど削ってあげれば綺麗にピンク色の肌が出てきそうです。かなり大変ではありますが、、、
それと、下の画像が今回削った後の画像なのですが、今回の検証で1つ判明したことが、、、
それは…日にさらしていた部分からするとわずかではありますが、厚紙で覆っていた部分も、実は色やけしていた!ということ。
画像で日に当てていた部分と隠していた部分の境目が一番薄くなっていることが確認できるかと思います。
以前ダンボールで梱包していても焼ける時は焼けると話は聞いたことがあるのですが、隠していた部分も地道に焼けていたということでしょうか。
(もしかすると検証前から焼けていた可能性もありますのではっきりとは断言できません)
今回電動サンダーで検証を行いましたが、ここまで削ると今回検証した10cm角のサイズでも結構時間がかかりました。天板の傷や黒ずみといった補修は電動サンダーの方が使い勝手がいいかもしれませんが、今回のような1~2mmほど天板を削るような大掛かりなものについては、サンダーを使っての作業でも頑張れば可能なのですが、広範囲になってくると手間かかるし難易度もかなり上がりますので機械に慣れていない場合は専門の業社にお願いしちゃいましょう。
お勧めのオイルワックス
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